旅館のうち、温泉旅館の大半は、不振が続いている。ここでは温泉旅館に特有の不振の原因について順不同で挙げてみよう。
旅行の形態が職場や地域、農業協同組合等の団体旅行から、家族、友人・知人、母娘などの個人・小グループ中心へと移っている。もはや、「社内旅行」が死語となっている企業も少なくない。大部屋に詰め込めば利益になるという仕組みがあだになっている。(部屋という空間を売る商売であることから、一定の空間に多くの客を入れる程収益は上がる。)
温泉旅館といえば、団体での宴会がつきものである。
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宴会は盛り上がると自然とアルコール類の消費が多くなる。これが温泉旅館にとっては結構収益として大きかった。また、供される料理もとにかく見た目の美しさを重視した盛り付けのみでよかった。大皿に多量の料理を盛ったものでも通用したのである。宴会場に並べておけばよいので、効率も良い。多量一括仕入れでコストダウンも可能である。それに、泥酔すれば酒類も銘柄に構わなくなり、良質で高価な酒類でなくとも十分である。ところが、少人数だとアルコール類もあまり進まない。料理にも、素材、調理、盛り付け、器に配慮が問われる。部屋食には、上げ下げの手間もかかる。
加えて、1990年代、マスコミなどで官官接待などが非難の対象になると一気に宴会ブームが去ってしまった。この為、大量の顧客を逃す事となっている。